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2016年度事業計画について

1.これまでの活動について
 2011年3月11日、東日本大震災の発災直後から京都災害ボランティア支援センターで福島県郡山市・福島市・いわき市・南相馬市などの避難所、仮設住宅、借り上げ住宅の支援を担当したスタッフが2012年7月に当会を立ち上げ、西日本で初めて浜通り地方から避難を余儀なくされている方々のコミュニケーションづくりを目的に「お茶会」を開催。
 参加された皆さんから、「浜通り地方限定の交流会がなく、ずっと引きこもっていたので、これからも定期的に開いてほしい」と声が上がる。
 当時の避難先での交流会では、心もとない言葉を浴びせられ辛い思いをされた方が殆どで、同じ境遇の方と出会い心おきなく浜の言葉で話が出来る交流の場を待ち望んでおられた。
 これまでに大小合わせて、50回を超える交流会を開催している。
 特に春のお花見や秋の紅葉狩りなどのバスツアーは関西の観光名所をめぐり参加者も多く毎年、好評を博している。

<参加者の声>
・浜の人と故郷の話をすることで、同じ気持ちを共有できてホッとする。
・まわりには、親しく話ができる人がいないため、何気ない世間話をしたり、愚痴を聞いてもらえるだけで、安心する。
・交流会で知り会えた方々とのつながりは、これからも大切にしていきたいので、定期的に集まれる場をこれからも作ってほしい。
・1年に1度でもいいので、訪問してもらったり、電話をもらうことで気にかけてもらっていると思うととても嬉しい。

2.活動計画
①関西・北陸・中国・四国・九州地方において、交流会や芋煮会を行う。
②相双・浜通り出身者や復興支援員経験のスタッフによる戸別訪問を行う。

<訪問活動>
西日本および北陸地方への戸別訪問
ご自宅や最寄りの駅近くのお店等に浜通り支援員がお伺いする。
懐かしい故郷の話や今後のことについて、避難先の悩みや要望をお聞きする。
避難元自治体や避難先自治体、支援団体と連携する。
ミニ交流会や芋煮会などを開催し、近隣にお住いの浜通りの方々同士の交流の場を企画。

③福島県への帰還支援として、避難先から福島の現状を見るツアーを
 福島大学災害ボランティアセンター、福島県内の支援団体と連携し
 関西・北陸・中国・四国・九州地方へ相双地方から避難されている方々を対象に
 平成28年福島県「ふるさとふくしま交流・相談事業」を実施する。

④年に数回、「浜風通信」を発行。

<催事予定>
 7月:関西交流会
 8月:北陸交流会
 9月:福島県内を見る交流会
10月:九州交流会・関西交流会/浜の芋煮会(日時、場所については、計画中)
11月:秋のバスツアー(毎年恒例・紅葉の名所へ日帰りバスツアー)
12月:浜の忘年会(日時、場所については、計画中)
 1月:中国・四国交流会
 2月:九州交流会
 3月:福島県内を見る交流会

6年目に入り、西日本で新たに永住を決めた方もまた、いずれ帰還できるようになった時に帰還を考えていらっしゃる方もこちらでの生活に不安がないようにいろいろな方面でのご相談をお受けしたり、これからも故郷を思う皆さんの気持ちを大切にし、同じ浜通り出身者同士のこころをつなぐお手伝いをさせていただきますので
どうぞ、お気軽に「関西浜通り交流会」までご連絡ください。
メール:kansaihamadoori@gmai.com
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福島からつながる熊本支援活動

九州担当のスタッフ、木ノ下美菜(僧侶、長崎在住・福島県南相馬市出身)さんによる活動報告です。
第三次熊本支援活動(5/29参加)の報告をさせていただきます。
午前中は、福島県・京都府・広島県・神奈川県・長崎県と全国各地から集まったメンバーで、依頼により益城町山間部集落の戸別訪問を行いました。
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1日で50ミリを超える豪雨の中での訪問ということもあり、不在のお宅が多いのではないかと予想しておりましたが…戸別訪問を行った集落は予想を上回る被害状況で、人が住んでいる気配すらないお宅も多くありました。
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一件づつ訪問し、お話を伺うことができた方のおひとり、住まいが一部半壊の判定を受け、現在は自宅の庭にあるビニールハウスで生活をしておられる80代の女性の方がいらっしゃいました。
突然の訪問にもかかわらず、見ず知らずの私たちをビニールハウスの入り口に招いてくださり、たくさんのお話を聞かせていただくことができたので、一部ご紹介します。

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・避難所に行っていたこともありましたが、行政のお世話になりすぎるのもあまり良くないような気がしています。
・我が家は町に一部半壊との判定を受けました。納得はいっていないものの、近所のお宅はもっと酷い壊れ方をしているところもあるので、何とも強く言えないような部分もあります。
・贅沢をしたい訳ではありませんが、温かいご飯とお味噌汁が食べたいので、ビニールハウスで自炊をしています。避難所に食べ物を貰いに行っていたこともありますが、今は行っていません。
・家を直すのは難しい気がしています。これからのめどは全く立っていません。
・息子と2人で暮らしていますが、昼間は寂しくてなんとなくテレビをつけっぱなしにしています。
・いのちがあって良かったです。まだまだ頑張ります。
このようなお話を聞かせてくださった女性は、車を運転することが出来る為、病院や買い物等には自分で行かれているようでした。
ご高齢の方が、ご自宅の横とはいえ環境の悪いビニールハウスで住まわれている現状を前にして、メディアでは知り得ない現実を目の当たりにしたような気がします。
避難所で行う炊き出し等とは異なり、戸別訪問は気軽にできることではありませんが、被災者ひとりひとりと出会っていくことの必要性を感じました。
夕方からは別の要請により広島県・神奈川県からの参加者と別れ、浜通り交流会のメンバーで大津町にある本田技研工業体育館に設置された避難所のサロンで傾聴活動を行いました。
傾聴を行ったメンバーは作業療法士・消防士・僧侶などの専門家が、それぞれの視点から避難されている方の悩みに寄り添うことができたと思います。
今回の熊本入りでは、戸別訪問・傾聴活動で伺った意見や相談内容を、地域やボランティア団体に繋いでいく、そんな役割を担うような活動ができたのではないかと思います。
そして、これらの活動は関西浜通り交流会として行ってきた活動に通ずる部分があったように思います。
人と人とが出会い、繋がり合うための活動。
コミュニティの回復・再構築の手助けとなる活動を続けてきた私たちが、また必要とされる場を発見できた今回の熊本入りだったのではないでしょうか。
福島だけに留まらず、私たちの経験を駆使して支援を続けていく必要を改めて感じました。
今回ご協力頂きました皆様、誠にありがとうございました。
                    木ノ下美菜
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関西浜通り交流会

Author:関西浜通り交流会
一般社団法人 関西浜通り交流会スタッフのブログです。

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