福島からつながる熊本支援活動
九州担当のスタッフ、木ノ下美菜(僧侶、長崎在住・福島県南相馬市出身)さんによる活動報告です。
第三次熊本支援活動(5/29参加)の報告をさせていただきます。
午前中は、福島県・京都府・広島県・神奈川県・長崎県と全国各地から集まったメンバーで、依頼により益城町山間部集落の戸別訪問を行いました。

1日で50ミリを超える豪雨の中での訪問ということもあり、不在のお宅が多いのではないかと予想しておりましたが…戸別訪問を行った集落は予想を上回る被害状況で、人が住んでいる気配すらないお宅も多くありました。

一件づつ訪問し、お話を伺うことができた方のおひとり、住まいが一部半壊の判定を受け、現在は自宅の庭にあるビニールハウスで生活をしておられる80代の女性の方がいらっしゃいました。
突然の訪問にもかかわらず、見ず知らずの私たちをビニールハウスの入り口に招いてくださり、たくさんのお話を聞かせていただくことができたので、一部ご紹介します。


・避難所に行っていたこともありましたが、行政のお世話になりすぎるのもあまり良くないような気がしています。
・我が家は町に一部半壊との判定を受けました。納得はいっていないものの、近所のお宅はもっと酷い壊れ方をしているところもあるので、何とも強く言えないような部分もあります。
・贅沢をしたい訳ではありませんが、温かいご飯とお味噌汁が食べたいので、ビニールハウスで自炊をしています。避難所に食べ物を貰いに行っていたこともありますが、今は行っていません。
・家を直すのは難しい気がしています。これからのめどは全く立っていません。
・息子と2人で暮らしていますが、昼間は寂しくてなんとなくテレビをつけっぱなしにしています。
・いのちがあって良かったです。まだまだ頑張ります。
このようなお話を聞かせてくださった女性は、車を運転することが出来る為、病院や買い物等には自分で行かれているようでした。
ご高齢の方が、ご自宅の横とはいえ環境の悪いビニールハウスで住まわれている現状を前にして、メディアでは知り得ない現実を目の当たりにしたような気がします。
避難所で行う炊き出し等とは異なり、戸別訪問は気軽にできることではありませんが、被災者ひとりひとりと出会っていくことの必要性を感じました。
夕方からは別の要請により広島県・神奈川県からの参加者と別れ、浜通り交流会のメンバーで大津町にある本田技研工業体育館に設置された避難所のサロンで傾聴活動を行いました。
傾聴を行ったメンバーは作業療法士・消防士・僧侶などの専門家が、それぞれの視点から避難されている方の悩みに寄り添うことができたと思います。
今回の熊本入りでは、戸別訪問・傾聴活動で伺った意見や相談内容を、地域やボランティア団体に繋いでいく、そんな役割を担うような活動ができたのではないかと思います。
そして、これらの活動は関西浜通り交流会として行ってきた活動に通ずる部分があったように思います。
人と人とが出会い、繋がり合うための活動。
コミュニティの回復・再構築の手助けとなる活動を続けてきた私たちが、また必要とされる場を発見できた今回の熊本入りだったのではないでしょうか。
福島だけに留まらず、私たちの経験を駆使して支援を続けていく必要を改めて感じました。
今回ご協力頂きました皆様、誠にありがとうございました。
木ノ下美菜
第三次熊本支援活動(5/29参加)の報告をさせていただきます。
午前中は、福島県・京都府・広島県・神奈川県・長崎県と全国各地から集まったメンバーで、依頼により益城町山間部集落の戸別訪問を行いました。


1日で50ミリを超える豪雨の中での訪問ということもあり、不在のお宅が多いのではないかと予想しておりましたが…戸別訪問を行った集落は予想を上回る被害状況で、人が住んでいる気配すらないお宅も多くありました。

一件づつ訪問し、お話を伺うことができた方のおひとり、住まいが一部半壊の判定を受け、現在は自宅の庭にあるビニールハウスで生活をしておられる80代の女性の方がいらっしゃいました。
突然の訪問にもかかわらず、見ず知らずの私たちをビニールハウスの入り口に招いてくださり、たくさんのお話を聞かせていただくことができたので、一部ご紹介します。


・避難所に行っていたこともありましたが、行政のお世話になりすぎるのもあまり良くないような気がしています。
・我が家は町に一部半壊との判定を受けました。納得はいっていないものの、近所のお宅はもっと酷い壊れ方をしているところもあるので、何とも強く言えないような部分もあります。
・贅沢をしたい訳ではありませんが、温かいご飯とお味噌汁が食べたいので、ビニールハウスで自炊をしています。避難所に食べ物を貰いに行っていたこともありますが、今は行っていません。
・家を直すのは難しい気がしています。これからのめどは全く立っていません。
・息子と2人で暮らしていますが、昼間は寂しくてなんとなくテレビをつけっぱなしにしています。
・いのちがあって良かったです。まだまだ頑張ります。
このようなお話を聞かせてくださった女性は、車を運転することが出来る為、病院や買い物等には自分で行かれているようでした。
ご高齢の方が、ご自宅の横とはいえ環境の悪いビニールハウスで住まわれている現状を前にして、メディアでは知り得ない現実を目の当たりにしたような気がします。
避難所で行う炊き出し等とは異なり、戸別訪問は気軽にできることではありませんが、被災者ひとりひとりと出会っていくことの必要性を感じました。
夕方からは別の要請により広島県・神奈川県からの参加者と別れ、浜通り交流会のメンバーで大津町にある本田技研工業体育館に設置された避難所のサロンで傾聴活動を行いました。
傾聴を行ったメンバーは作業療法士・消防士・僧侶などの専門家が、それぞれの視点から避難されている方の悩みに寄り添うことができたと思います。
今回の熊本入りでは、戸別訪問・傾聴活動で伺った意見や相談内容を、地域やボランティア団体に繋いでいく、そんな役割を担うような活動ができたのではないかと思います。
そして、これらの活動は関西浜通り交流会として行ってきた活動に通ずる部分があったように思います。
人と人とが出会い、繋がり合うための活動。
コミュニティの回復・再構築の手助けとなる活動を続けてきた私たちが、また必要とされる場を発見できた今回の熊本入りだったのではないでしょうか。
福島だけに留まらず、私たちの経験を駆使して支援を続けていく必要を改めて感じました。
今回ご協力頂きました皆様、誠にありがとうございました。
木ノ下美菜